TBSのテレビ番組で初音ミクの紹介をした際に、オタクをバカにするような内容になってた件について。

まず、もちろんTBSというテレビ局自体、何年も前から終わってる会社なので(最近でも亀田の問題とか。ゴルフで盗聴ってのも、TBSだっけ。不二屋不祥事で事実と異なることの放送というのも。あと、このチャンネルで現在「ワイドショー」を放送してないのも、過去にあった不祥事が原因だ。このテレビ局は不祥事に関しては枚挙にいとまがない)もう取材とか誰も受けないようにした方が国民とテレビ局のためなんじゃないかという気がする。どんな内容でも。

それから、テレビ局という既存のメディアの中でも日本全国隅々まで行き渡ってる(と自分たちは思い込んでいる)ものを扱ってる連中は、基本的に自尊心が高くそれ以外のメディアを見下す傾向があり(実際はキー局作成の番組ですらローカルでしか放送されず、見れない地域の人が日本にはいっぱいいる場合がある。全国の本屋に並ぶ雑誌やアクセスポイントさえあれば世界と繋がるインターネットの方がよっぽど世に広まっている)、そういった場所から自分たちの地位を脅かすかもしれないという存在が出てきたときの噛み付き具合は、余人の想像を超える場合がある。最近の他の例でいうと、テレビ局に限らないけど、マスコミ全体のセカンドライフに対する「持ち上げて落とす」扱い方とか。
既得権を脅かされた時に危機感を感じて必要以上に攻撃的になる輩というのはどこにでもいるのだ。

それとは別に、初音ミクをダシに馬鹿にされた貶められたと嘆いてる諸兄は、世間一般が自分たちをどんなに嫌っているかということについてもっと自覚的になった方がいい。

もちろんみっくみくにされている人の中には「そういったことは重々承知」の人も多いとは思うのだが。
中には「オタクが世間から全く受け入れられていない」ということに対して免疫がない人もいるように見受けられたので。

オタクでも、年代が上の人たちは、世間に自分たちが受け入れられていないということをよくわかっている(個人的には宮崎某の連続殺人事件をリアルタイムで見ていたか否かでオタクの中でもそういった感覚が分かれるような気がしている)。
もうちょっと年代が下の人たちの中には、オタクが世間から受け入れられていないということについて全く頓着していない人がいるように思う。
それが「そのことに気がついていない」のか「知ってて気にしていない」のかは、人によって違うんじゃないかと思うけど。
(ちなみに「知ってて気にしていない」というのは、「電車の中で化粧をする女性」とメンタル面で同じ根っこを持っている気がする。自分が直接知っている人間以外に対する徹底した無関心っぷりにおいて)
そのことに気がついてない人たちが、今回結構ショックを受けてるような気がした訳。

一方で、ああいったオタクアイテムに対して、「気持ちが悪い」という生理感覚もある。
「頓着していない人たち」は、『世の中にそういう生理感覚を持つ人たちもいて、しかも結構数が多い』ということについても、認識しておいた方がいいと思う。
別に理解する必要はない。
理解しなくても、そういうこととして知っておくことはできる。
そして、自分とは生理感覚や感情やセンスが違う人は世の中に大勢にいるのだから、そういう認識を持つことは、社会性の育成に役立つと思う。
オタクの中でも特に世間で忌み嫌われているのは、そういう認識がなくて社会性がない人たちなんじゃないかと思うので、社会性を持つオタクが増えることには意味がある。
そういった認識を持ったまま、オタクでいることだって出来る。オタクであることとは全く関係がないのだから。オタクだって社会の中で生きてるのだから、社会性は持っていた方がいい。
そして、オタクでなくても社会性がない連中はいっぱいいるんだよね。

色々と書いてきたが、ようするに、今回の一件を機に自分の置かれている状況に自覚的になるオタクの人が増えるといいなあという話だ。
この一件自体が「起きてよかった」と言っているのではない。というか、TBSほんとに終わってるよね。

有閑倶楽部・シンプソンズ

「オタクが世間一般から受け入れられてない」件についての追記。
どれだけオタクがないがしろにされているのかについては、「漫画が原作なのにも関わらず、原作に対するリスペクトが感じられず、あまつさえ原作で誰が読んでも一目瞭然な重要な要素を全く無視した状態でドラマ化される」ということが頻発してることからもよく分かっていただけると思う。
ようするに連中にとってそういったテレビドラマの存在意義とは、所属事務所のタレントのプロモーションの場であり、タレントファンへのサービスの場(のつもり)なのだ。
漫画原作はそのための道具にすぎず、そのファンたちなんかは特に気にするに値しないわけ。

有閑倶楽部のあのひどいドラマっぷりをみてるとそうとしか思えないのだが、別に有閑倶楽部に限った話ではなくて、昔からいくらもそんな話はあった。
私は原作もドラマも見てないけど、友達が言っていたところによると「アンティーク」もそんなだったそうだ。へー。
ちなみにアメリカのサイファイチャンネルでゲド戦記がドラマ化されたときもすごかったらしいですね。こっちも見てないけど(原作は読んだ)。ジブリのゲドは見てないので比較できません。

原作と変わっててもせめてドラマ自体が面白ければまだ許せるかもしれないけど、その場合だって、「じゃあ『原作付き』にするなよ」って話だよね。
たいていのドラマ制作スタッフは、クリエイターとしての実力で、原作者に遠く及ばないわけで。

もう一つオタクがないがしろにされているんだよという実例。
シンプソンズ劇場版の吹き替え声優変更はひどい話だよね。公開する前から終わってるよね。

最初にも言ったことだけど、テレビ制作をしてる連中の、それ以外のメディアに対する見下した姿勢も関係してるんじゃないかと思う。あ、シンプソンズは映画ですが。