オリエンタルランドの件

「最後のパレード」という本が出版されたのですが、盗用疑惑が報道されています。
というかもともとエピソード集なので、誰かのディズニーランド経験談の寄せ集めという意味では、最初から著者のかいた文章の本ではないのですが、その「誰かの体験談」を許可を得ずに勝手に転載している、ということですね。
その件に関する著者本人の弁明

http://gpscompany.blogdehp.ne.jp/article/13440710.html

…なんかこの人言ってることおかしいなあ。

「「思い出」を独り占めすることは許されません」

というのが、自分がやった行為に関する申し開きなんですが……。

「だから無許可で転載しても許される」
ということとイコールではつながらないと思うんですけど。

「義賊伝説ではありますが、鼠小僧次郎吉(じろきち)の「金に困った貧しい者に、汚職大名や悪徳商家から盗んだ金銭を分け与える」(もちろんディズニーは悪ではありません)を許す気持ちで『最後のパレードディズニーランドで本当にあった心温まる話』を見守っていただきたい、そう願ってやみません」

……これもおかしい。

許す許さないは本人が自主的に決めることで、強要されるようなことではないです。もちろん「願ってやみません」としか言ってないので、強要してるとは言いません。それこそ「願うのは勝手」ですから、願ってりゃいいと思います。
でもそこにネズミ小僧のエピソードを持ってくるのが……。

なんか、許してあげなかったら、汚職大名や悪徳商家に阿る大悪人みたいな文脈じゃないですか?
それともディズニーランドがミッキーマウスだからネズミ小僧なのか!?(意味不明)

掲載許可を出版前に申請したら許可がおりない。
だから許可を申請せずに出版しました。
というのがこの人の「やったこと」なんだよね。
掲載許可を得なくてもいいんだという言い訳をしてもいます。

でもさ
掲載許可を出版前に申請されたけど許可がおりなかったようなケースは、
申請せずに出版したら、そりゃ咎められますよ。

この人が言い訳に使ってるケースで例えると

「「子供が腹痛で苦しんでいる、40キロの速度制限の道路を60キロで走りたい」と警察に許可を求めても許可されるはずありません」

子供を病院に送り届けるために、運転手は「警察に逮捕されるリスクを負って」60キロで走っているのです。
「逮捕されたとしても子供が助かるならそれでいい、自分が前科者になるのもいとわない」とまで思えるから、それが出来るのです。
子供を助けるためにね。実際に逮捕されるかされないかはまた別の話ですが。しかし、許される行為をしているわけではない。許してくれる人もいるかもしれないけど、法的にはアウト。運転手は、そういうことをしているんですよ。

この人は「これで著作権違反で逮捕されたとしても、これらの「思い出」を人々に伝えることが出来るなら、それでいい。自分が前科者になってそのせいで家庭が崩壊するのもいとわない」と思ってはいない。
「いいことをしているのだから、法的にはアウトだけど、社会や法は私を咎めるべきではない」と思っているでしょう。

その段階で、例えとして成り立たないわけです。
ようするに、言ってることがおかしい。

せめて自分の非に気がついてすぐに謝る位のことが出来るなら、家庭崩壊まではしないと思うんだけど……このままだと、どうなるんですかね。